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映画『プロメア』の感想(がっつりネタバレ)と一部キャラクターに関しての印象まとめ

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二日前くらいに今は感想書きませんなんて言ってしまいましたがやはりせっかくのブログなので感想などまとめてみました。以下↓ネタバレ含みますゆえ各項目の下に感想文を白文字で書いて隠したので反転させて読んでくださいませ。

 

映画は二回見たのですが私自身パンフレットを買っておらず(欲しかったけどなかった)事前情報もあまり見られてなかったのでほぼ映画のみ見た感想になっております。よって自分の記憶頼りになっていたり的外れな事を言ってしまっている可能性もあるかもしれません。それから以下の感想はあくまで私個人の感想です。それぞれ見た人によって感想や解釈が異なるのがこういったものの面白さだと思いますので皆さんは皆さんの感じたものをぜひ大事にしてくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

全体的な感想

トリガーさんの作品はまだキルラキルしか見ておりませんが(いつかグレンラガンも見たい)たまたまYouTubeで予告を見てから、個人的に大好きな作品を作ってる所でしたし見に行きたいなと思っていました。勢いで二回見に行ってしまうくらいには良い意味で期待を裏切らないとても熱くて素晴らしい作品でした。面白かったし、すごく満足したのですがしいて言えば一つだけ。

最後、バーニッシュとしての能力はなくなってしまったリオ達ですがそういう作品のテーマにもなっている部分は残してバーニッシュとして生きていくのは大変だけどそれでもガロ達と協力し合いながら生きて行こう、という風にするのもありだなぁ、と思いました。キルラキルの話になってしまいますが主人公の流子ちゃんは戦いの後も体の中に生命繊維が残っていて、でもどんな自分も自分だ!って前向きに生きて行く決意をしてるんですよ。だから、プロメアもそんな感じなのかなと思ってました。作風は似てる所もありますけどゴールは結構違いがありますよね。そういう所も考えると面白いです。

関係ないけど、熱血主人公が氷属性でクールな敵役が炎属性なのいいよね。ガロは火消しだから氷を扱うけど心には熱い炎が燃えている。でも冷静な一面もあって熱くなった頭を自分で冷やす事もできる。そんな感じでした。対してリオは一見クールで、けれども内には炎を秘めている。手で操るのは炎。ううん、リオはクールって言うより結構熱いヤツ、って感じなのかな。何にせよとても魅力のあるキャラクターですよね。

バーニングレスキューの皆も、ガロやリオやクレイに比べたら出番がたくさんあった訳ではないけどとても輝いてましたよね。私は映画の中の好きなシーンの一つに皆でピザを食べるシーンがあるんですけど、あの場面て何気ない日常の一コマみたいでそこまで長い時間ではないんですけど、その短い時間にメンバーの仲の良さが凝縮されていて大好きなんです。ふとした会話に仲の良さが表れてるの、すごく良いですよね。

 

 

↓以下メインでもある三人のキャラクターについての印象とか感想とか

 

 

 

 

 

 

 

ガロ・ティモス

王道主人公らしく熱血バカでありながら火消しという仕事柄か冷静な一面も持っているとても良いバランスのキャラクターでした。例えば敵と戦う時ムダに派手に登場してムダに見得を切ってもあくまで人命救助を最優先にする所とか。

彼は良くも悪くもとても素直ですよね。命の恩人である(少なくともガロはそうだと思っていた)クレイの事を尊敬しているけど決して盲目的に彼の言う事は絶対に正しいと思っている訳ではなく、リオ(バーニッシュ)の境遇を目の当たりにした際クレイがバーニッシュに酷い実験をしていると告げられた時も本人にその事を本当なのかとたずねたり。でももしかしたら実際にバーニッシュが息絶えて灰になってしまう瞬間を見たからこそガロはクレイにたずねたのかもしれないなぁとも思いました(それだけガロにとって衝撃的な光景だったのかもしれません)。火消しの立場で街を燃やされて(そもそもガロはバーニッシュに対してかなり差別的)例えばリオ達が口でバーニッシュはひどい事をされているんだぞと言ってもガロが信じるかどうかは分かりませんしね。

作中、アイナと良い雰囲気になりそうだなという時アイナは照れていたけどガロは全くそういうそぶりを見せないのが印象的でした。あとは、終盤リオの命が消えかかった時にリオがバーニッシュの仲間にしていた事を思い出して見よう見まねで口から炎を送って人命救助した場面。リオが目を覚ました後にその事を変に茶化したりしないであくまで「火消しが初めて火を着けてしまった」事を気にしている様子も印象的でした。個人的にですが、プロメアは何となくリオが女の子みたいだとかリオとガロがキスをしただとか作中では安易にそういった事をネタにしないのが好きです。笑いを取る場面は別にあったので笑わせるのが上手いなぁ、と感じました。

あとはクレイとの複雑な関係も好きなのですが、それはここではなくクレイの項目で書きますね。

 

 

 

 

リオ・フォーティア

最初は女の子疑惑もあったみたいですが、私は初めて見た時から男の子だと思った派でした。確かに、場合によってはそう間違えられそうな容姿はしていますが安易に女の子のような扱いをされていないのが良かった。冒頭の戦闘シーンでリオの仮面が割れて顔をガロに見られた時「何だガキじゃねぇか」みたいに言われていたのが好きです。やせっぽちで弱そうだなぁとか、女みてぇな顔だなとか言わせなかったの良いですよね。綺麗だったり中性的な容姿の男の子はそういう扱いをされる事がわりとあるのですが私自身そういった展開はそろそろ嫌気がさしていたのでこんな何気ないシーン一つで好感度が上がってしまいました。あと、リオの怒りが爆発して街中で暴れ回る場面もとても好きです。流れているSuperflyの『覚醒』と(澤野さんのサントラと合わせて買いました)、迫力のある作画の勢いもすごくマッチしていてとても心に残っているシーンです。

それから何と言っても外せないのが、ガロとの関係ですよね。短い時間ながらも二人が出会って協力し合う関係になったのは個人的にあまり唐突感はなくすんなり受け入れられたのですごいな、と思いました。全体的に展開に勢いがありつつもお話が比較的まとまっている印象でしたしね。終盤クレイを止める為に二人でロボットに乗って戦うぞという時にロボットの形が気に入らなくていまいちやる気が出ないガロの注文を聞いてあげながら好みの形に変えてあげていたリオが好き。しかも「何で僕がそんなことを」とか「今はそんな場合じゃないだろう!」とつっぱねるのではなく最終的にはお気に入りの装備についての説明をされて「なるほどな」と笑いながら用意してあげるリオの懐の深さよ。さすがマッドバーニッシュのボス…。

最後リオはバーニッシュとしての能力はなくなってしまった訳ですが、いつしか平和になった街でガロ達や仲間達と幸せに暮らしてほしいですね。

 

 

 

 

クレイ・フォーサイト

通称・堺雅人。またの名を滅殺開墾ビームの人。この人はもう、正体が明かされる前からたいていの人が怪しいと感づいてしまうキャラクターだったと思います。実際私もすぐに「こいつ絶対怪しいわ」と内心呟きながら彼の行く末を見守っておりました。中盤辺りから案の定、清々しいほど見事な豹変っぷりを見せつけてくれましたがその後のはっちゃけっぷりが演じられている堺雅人さんの見事な演技もあいまってとても存在感ありましたね。いい味出してた…。

物語を理解していくと彼はとても重いものを抱えている人だと分かるのですが、乗ってるロボットをガロに『クレイザーX』と名付けられて「勝手に妙な名前を付けるな!」とつっこんだり有名になった『滅殺開墾ビーム』とかシリアスなはずなのに笑える要素もたくさんあって大好きです。

クレイのガロに対する複雑な思いも好きです。ある日バーニッシュとして覚醒してしまった際に幼いガロの家を間違って燃やしてしまい、その後ガロを助けて(クレイはその方が都合が良かったからだと言っているが)周囲にはいつしか英雄と崇められ司政官の地位に就き、ガロには命の恩人だと慕われるようになった。作中、バーニッシュに酷い実験をしているのは本当なのかとガロに詰め寄られた時自分の計画を話し人類の為にはバーニッシュの犠牲も致し方ないと言いそれに対し反抗するガロに銃を向けるクレイ。いつものように「クレイの旦那」と呼ぶガロを「旦那と呼ぶな!」と殴りとばして自分がガロをバーニングレスキューに入れたのはそこが死亡率が高い職場だったからだと、早く死んでほしかったからだと語る。けれでも毎回怪我をしながらも無事に帰って来るガロが鬱陶しかったと忌々しげなクレイ。

↑の個人的なあれこれ

事情は色々あったにしても、ガロを殺す事もできたはず(時系列は明確ではないが実際クレイが一度自らの手で殺人を犯す描写があった)なのにわざわざガロの面倒を見ながら職場で事故死するのを待ったりやり方が回りくどいと感じてしまったのはやはりクレイのガロに対する複雑な感情が関係しているのかもしれないと思いました。なんとなくですが、クレイのガロに対する態度を見ていると何というか『愛憎混じり』に見えるな、と私は感じてしまいました。もしかしたら最初は殺そうと思ったり、実際に殺そうとした事もあったのかもしれません。けれども自分を純粋に慕ってくるガロを見てしまうと「何も知らないくせに」という憎しみを抱く自分と、その純粋な気持ちを邪険にできない自分がいて映画内の物語が始まるまでの間(ガロと出会ってから今まで)自らの境遇もあいまってクレイはずっと悩み苦しんでいたのだろうなぁ、と思いました。彼を救うのはとても長く険しい道になりそうですが(クレイのした事はとても大変な事なので)いつかガロと純粋に向き合える日が来るといいな、と思いました。